バケツのないトイレ2018/11/16 22:35

岡山駅前の噴水
トイレの水を流す装置が故障した。
水槽の蓋を開けてみると、プラスティック部品が壊れていた。
メーカーに連絡して、部品を取り寄せることにした。
その間は、バケツに水を汲んでおいて、流すことで対処した。
5日ほど経ってからようやく部品が届いた。
その部品を見ると、自力で直せた部分の破損だった。水の中の部品をもう少しよく調べていれば、バケツで水を流す日々はなかったかも知れない。
バケツで水を流してみて、改めて水流の工夫に驚く。渦を作って少ない水量で流す仕組みである。
この水流の仕組みを作るのに、かなりの時間を要したであろう担当技術者に感謝して、バケツは晴れてトイレ業務からお役御免となった。

友人の頭髪と比較2018/11/15 21:12

新潟の夕日を新幹線から見る

大学時代の友人と待ち合わせて食事をした。
久しぶりに会う彼は、意外と若作りのままであった。
しかし、どうにも頭の地肌が目立つようになってしまっている。
彼の頭にして気になるのだから、私はもう、なんともならなくなっているに違いない。
そんなことを思いつつ、学生時代の話をした。

家に帰ってから、鏡で彼の頭と比較する。
3馬身ほど、私が先行しているようだった。
あぁ~。

腐れ縁の同級生2018/11/14 23:01

小石川の山茶花

出版社の女性営業職のHさんと、知り合いの女性書店店長が小学校、中学校のクラスメイトで、始めてのバイトも偶然同じ店になったという“腐れ縁”だという話を聞く。
以前から、なんとなく雰囲気が似ているかも、と思っていたことの、その理由に納得する。

「彼女はきつい性格です」という。それはひるがえって、自分のことを言っているのだろう。
「こだわり」も「正義感」も、たぶん同じ類の感性で生きている。
彼女と話していて「友だち」は「縁」に導かれて存在する、そんなことを思う。

「鉄砲玉の美学」1973年、中島貞夫監督2017/03/16 22:41

改装した古民家の天井部分
渡瀬恒彦について記憶に残る作品と言えば、「鉄砲玉の美学」だ。

ウサギを売ることで生計を立てている下っ端のヤクザという設定。
それが鉄砲玉となり、拳銃を持って敵地に乗り込む。

一緒にいる女性が売り物のウサギにキャベツを与えたと言って殴り飛ばすシーン。

結局、鉄砲玉になれなくて、最後は警察官に打たれて、霧島に行くバスの中で死んでいく若者…。

その当時、何を思ってこの映画を見たのか。あまりに過去のことなので、その理由は思い出すこともできないが、それぞれの印象的なシーンが頭に残っている。

合掌

ルポ税金地獄2017/03/03 23:03

文芸春秋新刊案内

仲が良くなさそうな文藝春秋と朝日新聞であるが、なぜか朝日新聞の記者が文藝春秋で出版するケースをときどき見かける。
3月17日に発売予定の文春新書「ルポ税金地獄」も、朝日新聞経済部が書いているのだ。
それで文春の営業担当者が「日本の税金はいかに高いか」が書いてある、と、この本の売り込みをかける。
「北欧とかの方が高いのでは!?」と聞くと、日本の税金は、さまざまな名目でとてつもなく高いのだ、とその営業担当者。
「もう、買って読むしかないですぜ」と強引な営業に、来月発売されたら、手に取ってみようと思わされる熱心な売り込みであった。

弁護士に会うとき2016/12/30 09:38

のらねこ

顧問弁護士に会う時は、手土産を持参した。
月々の顧問料を支払ってはいるが、個別案件の相談では別料金が発生する。
ましてや法的な文章を書いてもらう場合には、弁護士先生の決めた料金がある。
しかし、もろもろの依頼をすることは年間に何度もないのだから、という理由で、なんとか顧問料の範囲内で収めてもらおう、と、文章はこちらで作成し、弁護士先生にはチェックをしてもらうことだけで済まそうというのが、当時在籍していた会社の方針だった。
それではあまりにも申し訳ないからと、いただいた手土産などを横流しで持って行ったものだ。

その顧問弁護士が亡くなり、別の弁護士事務所と契約したようで、以前に書いた文章に関する説明を求められた。
はじめて会ったその弁護士は、かつての弁護士先生とは異なり、かなり事務的な印象だ。

久しぶりに弁護士という職業の人と話をして、ある夏の日に、持っていった桃を丸かじりしていた弁護士先生を懐かしく思い出す。

トヨタの未来はFCVで拓けるか2016/10/12 23:42

トヨトミの野望プルーフ
講談社から10月6日が発売予定の「トヨトミの野望」のプルーフをいただいた。
「日経の記者がペンネームで書いた、限りなくノンフィクションであるフィクション」との触れ込み。

いきなり、豊田章男が美人局に引っかかって、やくざに拉致され、それを奥田硯社長と張富士夫筆頭副社長が助け出すシーンから始まる。これって事実か!???

奥田がマニラにとばされ、それを後にトヨタ自動車初代社長になる豊田章一郎が『こんな才能があるやつが、マニラでくすぶっているのか』と言って帰国させた話は、あまりにも有名だ。

その奥田の快進撃と、豊田の使用人であるが故の挫折。それに豊田章男の苦悩と成長が、対照的に物語の織り込みを深くする。

奥田が豊田に手紙を書く。「進むも地獄、退くも地獄、ならば章男さん、進みませんか。想像を絶する逆境のなか、ひたすら戦い続けて、前のめりに斃れていった…」
そうして豊田章男のトヨタは、水素燃料電池自動車(FCV)に舵を切るのだ。
はたして、この勝負のゆくえは、何年後にわかるのだろうか。

先月の星野道夫展2016/10/02 18:52

熊と鮭との出会いがしら

没後20年というので、改めて星野道夫展に足を運んだのは、先月のはじめだった。
いつだったか、以前の展示会でB2サイズのポスターを買って自宅の部屋に貼っているので、新事務所になって殺風景な部屋にも何か良いものがないか、とポスターを購入したいということもあった。

展示会自体は、以前と趣も異なり、迫力のある写真もよかったのだが、目的のひとつだった大きめのポスターは売っていなかった。

しかし、星野のカメラが2台飾ってあり、それに目が行く。
メインはオリンパス(?)の中判で撮っていたらしいが、もう一台がニコンで、24mmF2.8のレンズ。もう少し広角なのかと思っていた。
24mmか…。F2.8だと、20万円は超えそうだ。

ロベルトからの手紙2016/09/20 22:05

羽根の生えたヘルメスの足
内田洋子の本の表紙は絵が多いが、今回は木彫りの足の写真だ。
あとがきに、彫刻家にこの羽の生えた足を注文する手紙が載っている。

イタリアにおける様々な人生模様。
深く彩られた哀しみを、余韻の残る文章で切り取られた、異国の物語。

それらと比べると、私の周りにはあまりに単調な人生しか見えてこない。
ふと、自分の立ち位置が、変わってしまったことを思う。
さあ、最初の一歩を踏み出せ!という声が聞こえた。

「ダンテの遺言」谷川悠里2016/09/01 21:05

天文学者ダスコリが焼かれている地獄の門

ダンテの『神曲』の直筆原稿を軸に、物語が展開してゆく。
晩年のダンテが残した禁書がある、という設定。
ニコラウス・コペルニクス(1473-1543)よりも300年も前に、「地動説」を唱えて火刑に処せられたチェッコ・ダスコリ(1280-1327)。その時代にダンテ・アリギエーリ(1265-1321)は生きた。
コペルニクスの地動説は禁書にならず、教皇たちを「神曲」で地獄に落としたダンテも、異端審問に問われることはなかった。
それなのに異端審問にかけられたガリレオ(1564-1642)は言う。「あなたがたは、ほんとうに神の叡智と能力が、われわれが認識できる、このささやかな世界への配慮のみに限定されているものとお考えか。むしろわたくしは、宇宙を創った両腕が、それほど短いものであるとはどうしても思いたくない。」
異端審問官の心は、この弁舌にも動かされることはなかった。

ところで、世界遺産の西洋美術館。その庭にあるロダンの「地獄の門」。
天地をひっくり返そうとした天文学者ダスコリが焼かれている。彼は頭から逆さに地面にのめりこんでいる。